原子力発電に伴い生じた使用済燃料の再処理後に残る高レベル放射性廃棄物等の最終処分は、原子力発電を利用していく上での最重要課題の一つであり、その解決のため最終処分費用の負担に関する世代間の公平性の観点に留意しつつ、最終処分の実施に必要な枠組みを制度化することが極めて重要とされています。
このため、高レベル放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施するための最終処分費用の拠出制度、最終処分を実施する主体の設立、拠出金の管理を行う法人の指定等について規定した「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(以下「法」という。)」が平成12年5月に成立し、同年6月に公布されました。
法の施行を受けて、平成12年10月には最終処分の実施主体である「原子力発電環境整備機構」(原環機構)が設立されました。一方、当センターは、同年11月に法第58条第2項の規定による「指定法人」の指定を受け、最終処分積立金の管理等を行う最終処分資金管理業務を開始しました。さらに、法の改正に伴い、平成20年4月からは、今までの最終処分積立金(第一種最終処分積立金)に加え、新たにTRU廃棄物(地層処分対象)に係わる積立金(第二種最終処分積立金)の資金管理業務を開始しました。
これらの業務を適切かつ確実に実施するため、資金管理業務部内に最終処分業務課と最終処分資金運用課を設け、資金の運用・管理に精通した職員を配置するとともに、内部牽制が担保される組織として、外部の有識者に適切な助言を求める「最終処分積立金運用委員会」を設けております。
また、一般の経理と明確に区分・整理するため「最終処分資金管理特別会計」を設けております。
更に、適切かつ確実な業務の運営を図るため、法第76条第1項に規定する最終処分資金管理業務規程を定め、適切な情報開示に努めるとともに、関係役職員の倫理の保持にも注意を払っております。